ブドウの収穫時期 北海道のブドウ畑よりお届け【MARO Wines マロワインズ】

生産者が手塩にかけて育てたブドウを遂に摘み取る収穫時期というのは、ワイン造りにおいて1年で最も重要な時期になります。それはやはりワインはブドウで造られている以上、その年のブドウの品質というのがヴィンテージに強く影響するからです。

北海道では夏の暑さが落ち着き、ツンとした空気が漂う中での収穫になります。


実際に北海道ではどのようにブドウの収穫作業が行われているのでしょうか?2022年【MARO Wines】ブドウ収穫の最新の様子をお届けしたいと思います!

余市の畑
北海道・余市町にあるブドウ畑
目次

ブドウの収穫時期 どう決める?

ワイン用ブドウ

そもそもブドウの収穫時期はいつ頃で、どのように決めるかをご存じですか?

北海道では主に9月~10月の間の収穫がメインです。1つの目安としてブドウ樹の開花から100日前後と言われています。ただ、実際にその年の気候によってブドウの成熟度合いは変わるので、最終的には醸造家や畑の責任者が判断することになります

醸造家は実際にブドウを食べながらその成熟度品種の特徴の出方、糖度酸度のバランスなどを見ながら収穫日を決めます。糖度や酸度は数値で測ることができますが、数値はあくまで参考程度です。「テロワール」といって畑の特性によっては、糖度が上がるのを待っていたら酸度がガクンと落ちてしまったという一例もあるので、経験から得た判断軸の方が重要です。

さらに本州では台風の到来や北海道でも雨の可能性があるので、最終的にはそういった要素全てを総合的に判断します。収穫日の判断は慎重さ大胆さの両方が必要と言えます。

ちなみに2022年MARO Winesの収穫初日は10月1日でした。

ブドウ収穫の方法

海外だと機械で収穫しているところもありますが、日本では手摘みでの収穫が一般的になります。手摘みの良いところはやはりブドウを傷つけないというところです。また、収穫の段階である程度良いブドウのみを選別することができます。

ブドウの選果
一粒一粒丁寧に選果

1列ずつ、取りこぼしがないように収穫していきます。もちろん全て手作業になるので労力は必要ですが、早起きをして自然の中で体を動かすのはとても気持ちが良いです!一緒に収穫をする仲間とも自然とコミュニケーションが生まれます。

特に難しいことはなく、ハサミを使って房ごと収穫します。ワイン用ブドウは美味しくないというイメージがある方もいらっしゃるかもしれませんが、実は生食用ブドウより糖度が高く平均20度以上とそのまま食べても美味しいです。品種によって芳香が違うので、収穫しながら確かめてみるのもおもしろいです。

寝れない醸造家

丁寧にブドウを摘み取った後は醸造所に運ばれ選果作業に入ります。酸化をなるべく抑えるため、収穫後はスピード感が求められます。

選果とは、ワインの醸造に適切でない未熟の実カビが生えてしまった不健全なもの、葉っぱなどの要らないものを取り除く作業です。選果に迷っている方に言うのは「実際に食べて判断してみて」ということです。美味しくないブドウから美味しいワインは造れないということです。

ブドウの選果
ブドウの選果の様子は「 雪川醸造にて初ワインの仕込み!!【MARO Wines マロワインズ】」をご覧ください。

その後、除梗が必要なブドウは手除梗または機械除梗でブドウの実のみを取っていきます。除梗も北海道だと手除梗で行うことが多いです。丁寧かつ速やかに行いますが、これも全て手作業なので思っている以上に時間がかかります。ブドウの量と人数によっては夜まで作業が続きます。その後に醸造家は醸造作業があるので、気づいたら0時をまわっているということも。次の日も早朝から収穫です。しかし、ある意味ハイ状態なので誰よりもテンション高めです(笑)

ヴィンヤード/収穫風景

ブドウの収穫はワイン造りの大事な工程

ブドウの収穫時期というのは短期間にたくさんの作業が発生します。もちろん自然相手なので思うようにいかないこともありますが、その中で色んな経験と知識から判断していくのが醸造家の仕事です。私自身醸造家としてこの忙しい醸造時期にうまくマネジメントできることが、美味しいワインを造るための一つの要素であるとも考えています。
また、ワインは決して一人で造れるものではありません。たくさんの方が造り手の思いに共感して下さり、手を差し伸べてくれながらその年のワインを造っていきます。二度と同じワインは造れないというには「ブドウが自然の産物だから」というのもそうですが、人間的な作用もあると思っています。

MARO Wines2022はどのようなヴィンテージになるのでしょうか?僕自身一番ワクワクしています。


最高のチームでした!!私自身本当に楽しかったです。皆さま本当にありがとうございました!

以上、ワイン用ブドウの収穫時期や方法など、実際に2022年の収穫の様子を交えながらお伝えしてまいりました。自然の中で行う収穫作業は楽しいだけでなく、その美しさに癒されたり新しい気づきを与えてくれます。MARO Winesでは現在、収穫作業をお手伝いしてくれるボランティアの方を募集しています
詳しくはMARO Wines 収穫ボランティア募集をご覧下さい。

麿直之

WineGrower 麿直之(マロナオユキ)

2014年 外資系製薬会社のMRを辞めワイン醸造家としての道へ
北海道にあるワイナリーの立ち上げから携わり醸造責任者を務めながら冬の間は南半球で修行を積む。
世界最大のコンクール’DECANTER WORLD WINE AWARD2020’にて自身が醸造した赤ワインで金賞受賞。
2021年にはアメリカの権威あるプログラム’UC Davis Winemaking Certificate Program’を修了する。
2023年に醸造設備をシェアできるHokkaido SPACE Wineryを長沼町に立ち上げ、自身のブランド【MARO Wines】を手掛ける。

WineGrower 麿直之(マロナオユキ)

2014年 外資系製薬会社のMRを辞めワイン醸造家としての道へ
北海道にあるワイナリーの立ち上げから携わり醸造責任者を務めながら冬の間は南半球で修行を積む。
世界最大のコンクール’DECANTER WORLD WINE AWARD2020’にて自身が醸造した赤ワインで金賞受賞。
2021年にはアメリカの権威あるプログラム’UC Davis Winemaking Certificate Program’を修了する。
2023年に醸造設備をシェアできるHokkaido SPACE Wineryを長沼町に立ち上げ、自身のブランド【MARO Wines】を手掛ける。

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